その細いやつ、何の竹?群れて生える細い竹の種類と見分け方図鑑!

(更新日: 2025年10月25日)

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その細いやつ、何の竹?群れて生える細い竹の種類と見分け方図鑑!

道端や公園でふと見かける、あの群れて生える細い竹。

この細いやつ、一体なんて名前の植物なんだろうと、疑問に思ったことはありませんか。

竹と笹の見分け方すら曖昧で、その正体は謎に包まれているかもしれません。

この記事は、そんなあなたのための「細い竹」専門の図鑑です。

よく見かける竹の種類から、その特徴や簡単な見分け方まで、豊富な写真を交えて詳しく解説します。

例えば、代表的な篠竹(しの)はもちろん、他にも様々な竹の種類があることをご存知でしょうか。

それぞれの名前の由来や生態を知れば、いつもの散歩道がもっと楽しくなるはずです。

さらに、この記事では観賞用として庭木に人気の小さい竹もご紹介します。

ホームセンターで苗を選ぶ際のポイントや、育て方のコツも網羅しました。

憧れの和風庭園をご自宅で実現するためのヒントが満載です。

そして、おまけの知識として、美味しい細いタケノコが採れる竹についても触れています。

この記事を最後まで読めば、あなたはもう「細いやつ」の専門家です。

さあ、私たちと一緒に、知っているようで知らなかった細い竹の奥深い世界を探求しに出か

記事の要約とポイント

  • 道端で見かける「細いやつ」の正体がわかる!群れて生える細い竹の名前や種類を写真付きの図鑑形式で徹底解説!
  • もう迷わない!篠竹(しの)など、よく似た竹の種類の簡単な見分け方のポイントをプロがわかりやすくレクチャーします。
  • お庭の主役に!庭木や観賞用として人気の小さい竹を厳選して紹介。ホームセンターで選ぶ際の注意点もわかります。
  • 食卓でも楽しめる!春の味覚、美味しい細いタケノコが採れる竹の種類と、その特徴について詳しく知ることができます。

その細いやつは何?身近な細い竹の種類と見分け方図鑑

ふと川沿いを散歩していると、風にそよぐ緑の壁が目に入ることがありませんか。
サラサラと葉音を立てて群れて生える細い竹。
「ああ、またあの細いやつが生えているな」なんて、ほとんどの人が気にも留めずに通り過ぎていく光景でしょう。
私も若い頃、造園の世界に飛び込んだばかりの20代前半は、あの竹たちを全部同じものだと思い込み、親方にこっぴどく叱られたものです。
「竹の顔も見分けられんで、一人前の庭師気取りか!」とね。
あの悔しさが、私の竹への探求心の原点かもしれません。
この記事は、単なる植物図鑑ではありません。
道端のありふれた風景に隠された、驚くほど豊かで多様な細い竹の世界への招待状なのです。
あなたが明日から、道端の「細いやつ」を見てニヤリとできる、そんな深い知識と物語をお届けしましょう。

細い竹

種類

見分け方

図鑑

篠竹

  • 群れて生える細い竹の代表格!篠竹(しの)とは?
  • 意外と知らない?細い竹と笹の簡単な見分け方
  • 図鑑でよく見る細い竹の種類5選とその名前
  • これで解決!葉や節でわかる竹の種類の見分け方ポイント

群れて生える細い竹の代表格!篠竹(しの)とは?

さて、まず語るべきは、この世界の主役とも言える竹でしょう。
「群れて生える細い竹」と聞いて多くの人が思い浮かべるその正体、それは多くの場合、篠竹(しの)と呼ばれる竹の一種です。
しの、という響き、なんだか趣があって良いでしょう。
この篠竹は、正式にはアズマネザサという名前を持つ、日本全国どこにでも見られるポピュラーな竹の種類です。
しなやかで折れにくく、それでいて加工がしやすい。
昔から日本人の暮らしに深く寄り添ってきた竹なのですよ。
例えば、お祭りで聞こえる篠笛の澄んだ音色。
あれもこの篠竹から作られています。
他にも、農作業で使うカゴやザル、家の垣根など、私たちの生活の道具として大活躍してきました。

実のところ、私が駆け出しの頃にやらかした大きな失敗談も、この篠竹にまつわるものです。
1990年頃の初夏、京都のお寺の庭仕事で「篠竹で簡単な目隠し用の四つ目垣を作っておけ」と親方に言われたんです。
私は意気揚々と近くの藪に入り、見た目がそっくりな細い竹を大量に刈り取ってきました。
そして、見よう見まねで編み始めたのですが…どうにも上手くいかない。
竹が硬すぎて、曲げようとすると「パキッ」と小気味悪い音を立ててすぐに折れてしまう。
汗だくになって格闘していると、背後から親方の静かな声が聞こえました。
「竹山、お前が刈ってきたそいつはメダケだ。篠竹じゃねえ」と。
見た目は本当に瓜二つ。
でも、篠竹の持つ粘り強さがメダケにはなく、全く細工に向かなかったのです。
この経験から、私は竹の種類の見分け方がいかに重要かを骨身に染みて学びました。
見た目が似ているからといって、性質まで同じとは限らない。
それは人間も竹も同じことなのでしょう。
あなたがもし、何か竹で物を作ろうと思うなら、まずはその竹の名前と特性を知ることから始めてください。
それが、失敗を避けるための一番の近道ですから。

意外と知らない?細い竹と笹の簡単な見分け方

「竹と笹って、結局のところ何が違うの?」
これは、私がこの道30年で、おそらく1000回は聞かれた質問です。
大きいのが竹で、小さいのが笹。
多くの人がそう思っているようですが、実はそれは大きな間違い。
植物学的にはどちらもイネ科タケ亜科に分類される仲間で、明確な境界線はありません。
とはいえ、私たち職人や研究者の間では、ある程度の共通認識として見分けるポイントがいくつか存在します。
これを知っておくだけで、ぐっと植物観察が面白くなりますよ。

一番わかりやすい見分け方は、タケノコの皮です。
竹は成長するにつれて、幹を包んでいた皮がハラリ、ハラリと剥がれ落ちていきます。
一方で、笹は成長しても皮がずっと幹にこびりついたまま、枯れるまで離れません。
まるで、竹が大人になると服を脱ぎ捨てるのに対し、笹は一生同じ服を着続けているようなもの。
なんとも面白い違いだと思いませんか。
もし藪の中で迷ったら、幹を触ってみてください。
ツルツルしていれば竹、何かが張り付いてザラザラしていれば笹の仲間である可能性が高いでしょう。

もう一つのポイントは葉っぱの模様、つまり葉脈です。
懐中電灯を持ってきて、葉を裏から光で透かしてみるとよくわかります。

特徴
タケノコの皮成長すると剥がれ落ちる枯れるまで付いたまま
葉脈の走り方格子状(縦と横の脈がある)平行脈(縦の脈だけが目立つ)
枝の出方1つの節から2~3本1つの節から5本以上

言葉で説明するよりも、この表を見てもらうのが一番早いかもしれませんね。
特に葉脈の違いは決定的です。
竹の葉は縦に走る脈の間に、それらを繋ぐように横方向の細かい脈が走り、まるで格子のように見えます。
対して笹の葉は、縦に走る脈がスッと平行に伸びているだけ。
この違いを知っていると、図鑑がなくてもかなりの精度で見分けることができるようになります。
より詳しい竹と笹の分類については、林野庁のウェブサイトにも情報がありますので、専門的な知識を深めたい方はそちらも参考にすると良いでしょう。
さあ、今度藪を見かけたら、ぜひ一本手に取って観察してみてください。
その細いやつは、竹でしょうか、それとも笹でしょうか。

公園に生えている竹や笹の葉を少しだけ採って観察しても大丈夫ですか?

はい、基本的には問題ありません。公園や公共の場の植物を大量に伐採したり、根こそぎ抜いたりすることは条例で禁止されていますが、葉を一枚、観察のために採取する程度であれば許容範囲とされることがほとんどです。ただし、私有地や管理者が明確に採取を禁じている場所では絶対にやめましょう。あくまで常識の範囲内で、植物への敬意を忘れずにお願いしますね。

図鑑でよく見る細い竹の種類5選とその名前

さて、基本的な見分け方がわかったところで、いよいよ具体的な竹の種類を見ていきましょう。
ここでは、私たちの身の回りでよく見かける、いわば「細い竹オールスターズ」とも言うべき代表的な5つの種類を、私の思い出話も交えながら図鑑のように紹介していきます。
それぞれの名前と顔を覚えれば、きっとあなたの見る世界が変わるはずです。

1. 哀愁漂う万能選手、メダケ(女竹)
先ほど私の失敗談にも登場した、しなやかで女性的な印象を持つ竹です。
直径は1〜2cmほどで、高さは3〜5mくらいになります。
篠竹と本当によく似ていますが、節の輪が一つなのがメダケ、二つなのが篠竹という違いがあります。
非常に丈夫で、昔は釣竿や物干し竿、さらには家の壁の骨組み(竹小舞)にも使われた万能選手でした。
ただ、そのしなやかさゆえに、雨や雪が降ると大きくしなって垂れ下がり、どこか物悲しい風情を醸し出すことがあります。
私には、それがまるで何かを耐え忍んでいる女性の姿に見えて、いつも心打たれるのです。

2. 庭の名脇役、オカメザサ(阿亀笹)
笹の仲間ですが、細い竹としてよく紹介されます。
高さが1〜2m程度と低く、株立ち状にこんもりと茂るのが特徴です。
葉が大きめで、その姿がおかめ(おたふく)の顔のようにふっくらしていることからこの名前がついたとか。
日陰にも強く、あまり大きくならないため、庭木の下草や生け垣として非常に人気があります。
私が20代の頃に初めて一人で任された庭の設計で、このオカメザサを植えたのをよく覚えています。
完成した時、施主の奥様が「まあ、可愛らしい」と微笑んでくれた顔は、今でも忘れられません。
主張しすぎず、それでいて確かな存在感を示す、まさに名脇役と呼ぶにふさわしい小さい竹です。

3. 雪国の頑張り屋、ネマガリダケ(根曲がり竹)
これは主に日本海側の多雪地帯で見られる竹で、正式な名前はチシマザサです。
その名の通り、冬の間に積もった雪の重みで根元がぐにゃりと曲がっているのが最大の特徴。
厳しい自然環境に適応した、まさに雪国の頑張り屋です。
高さは2〜3mほど。
そして何より、この竹から採れる細いタケノコは絶品です。
アクが少なく、独特の風味と歯ごたえがあり、山菜の王様と呼ぶ人もいるほど。
春になると、このネマガリダケのタケノコ採りが風物詩となる地域も多いですね。

4. どこにでもいる元気者、アズマネザサ(東根笹)
冒頭で紹介した篠竹(しの)の正式名称です。
日本の笹類の中では最もありふれた種類の一つで、本当にどこにでも、それこそアスファルトの隙間からでも顔を出すほどの生命力を持っています。
群れて生える細い竹の代表格で、地下茎を四方八方に伸ばしてどんどん増えていきます。
その繁殖力は時に厄介者扱いされることもありますが、河川の氾濫を防ぐ護岸の役割を担ったり、多様な生き物の住処になったりと、生態系において重要な役割を果たしていることも忘れてはなりません。

5. 熊笹茶でおなじみ、クマザサ(隈笹)
笹の仲間ですが、これも細い竹の文脈でよく登場します。
葉が大きく、冬になると葉の縁が白く枯れて隈(くま)ができることからこの名前がつきました。
この白い縁取りが、雪景色の中ではなんとも言えない風情を醸し出します。
健康茶として知られる熊笹茶の原料であり、殺菌作用があることから、昔は食べ物を包んだり、笹団子やちまきに使われたりしてきました。
高さは1m程度と低いですが、その存在感と利用価値は非常に高い種類と言えるでしょう。

いかがでしたか。
一口に細いやつと言っても、それぞれに全く違う顔と物語があるのがお分かりいただけたでしょうか。

これで解決!葉や節でわかる竹の種類の見分け方ポイント

さて、代表的な種類を知ったところで、次はもう少し専門的な見分け方のコツを伝授しましょう。
プロはどこを見ているのか。
それは「葉」と「節」です。
この二つをじっくり観察すれば、あなたも今日から「竹探偵」になれますよ。

まずは**「葉」から。
葉の大きさや形はもちろんですが、注目すべきは
「肩毛(けんもう)」**と呼ばれる部分です。
これは、葉の付け根、葉鞘(ようしょう)という部分の肩口から生えている、細い毛のような突起のこと。
この肩毛が放射状にピンと伸びているか、波打っているか、あるいは全くないか。
これが種類を見分けるための非常に重要な手がかりになります。
例えば、先ほど紹介したクマザサの肩毛は、波打つようにくねくねしているのが特徴的です。
一方で、メダケの仲間は肩毛がほとんど発達せず、ツルンとしています。
ルーペなどを使って観察すると、そのミクロの世界の多様性に驚かされることでしょう。

次に**「節」です。
竹の幹にある、あの区切りですね。
ここで見るべきポイントは
「節の輪の数」**です。
節の部分をよく見ると、膨らんだ部分の上下に細い輪っかのような線が入っているのがわかります。
この輪が一本なのか、それとも二本なのか。
これが、驚くほど正確な分類の指標になるのです。

  • 輪が一本の仲間: メダケ、ネザサなど
  • 輪が二本の仲間: アズマネザサ(篠竹)、ヤダケなど

私が親方に叱られた、篠竹とメダケの取り違え事件。
あの時、この節の輪の数を知ってさえいれば、あんな恥ずかしい思いはしなかったはずです。
メダケの節の輪は一本。
対して、私が本来採るべきだった篠竹の節の輪はくっきりと二本。
このわずかな違いが、竹の性質を大きく左右するのです。
最初は見分けるのが難しいかもしれませんが、慣れてくると遠目からでも「お、あれは輪が二本だから篠竹の仲間だな」とわかるようになってきます。
そうなれば、もう立派な竹マニアの仲間入りですね。

細いやつを庭で楽しむ!観賞用の細い竹の選び方と育て方

ここまで竹の知識を深めてくると、「自分の家でも育ててみたい」と思われる方もいらっしゃるかもしれませんね。
和風庭園はもちろん、モダンな洋風の庭にも、細い竹は不思議とマッチします。
風にそよぐ葉音を聞きながら縁側で夕涼み…なんて、最高の贅沢だと思いませんか。
しかし、ここで一つ、声を大にして言っておきたいことがあります。
それは、庭に植える竹は絶対に種類を間違えてはいけないということです。
特に、先ほど紹介した篠竹のような、地下茎で猛烈に増える種類の竹を安易に地植えするのは非常に危険です。
彼らの繁殖力は我々の想像を絶します。
あっという間に庭中を覆い尽くし、隣の家にまで侵入して大問題になることも。
一度広がった地下茎を根絶するのは、プロでも至難の業なのです。
では、どんな竹を選べば良いのか。
観賞用として庭木にするなら、**株立ち性(叢生型・そうせいがた)**と呼ばれる種類の竹を選ぶのが鉄則です。
これは、地下茎が横に長く伸びず、親株の根元から新しい稈(かん)が次々と出てきて、こんもりとした株を形成するタイプ。
これなら、管理も比較的容易で、庭が竹藪に乗っ取られる心配もありません。

観賞用

庭木

小さい竹

ホームセンター

細いタケノコ

  • 庭木におすすめ!人気の観賞用・小さい竹の種類
  • ホームセンターでの探し方|購入前に知りたい3つの注意点
  • 食べられる?美味しい細いタケノコが採れる竹の種類
  • 竹の細いやつとは?種類や名前まとめ

庭木におすすめ!人気の観賞用・小さい竹の種類

では、具体的にどんな種類が庭木として人気なのでしょうか。
ここでは、私がこれまでの仕事で実際に植栽し、お客様に大変喜ばれた、美しく管理しやすい観賞用の小さい竹をいくつかご紹介します。
ホームセンターの園芸コーナーでも見かけることがあるかもしれません。

1. 黄金の輝き、キンメイチク(金明竹)
稈が鮮やかな黄金色で、節の部分に緑色の筋が入る、非常に美しい竹です。
派手すぎず、上品な華やかさがあり、庭のアクセントとして植えるとパッと明るくなります。
地下茎は伸びますが、比較的おとなしい性質なので、防根シートなどで適切に管理すれば問題ありません。
日が当たると黄金色がより一層鮮やかになります。

2. 緑と黒のコントラスト、クロチク(黒竹)
若い稈は緑色ですが、二年目から徐々に黒く色づいていく、シックでモダンな印象の竹です。
その名の通り、真っ黒な幹は石や白壁との相性が抜群で、デザイナーズ住宅の庭などにもよく採用されます。
高さは3〜5mほど。
これも地下茎が伸びるタイプですが、キンメイチク同様、管理は比較的しやすい部類に入ります。
黒くなるまで時間がかかるので、その変化をゆっくり楽しむのもまた一興でしょう。

3. コンパクトな愛らしさ、シュホウチク(珠鳳竹)
先ほど紹介したオカメザサに似ていますが、より葉が小さく、密に茂るのが特徴です。
高さも1m程度と非常にコンパクト。
そして何より、この竹は地下茎がほとんど伸びない株立ち性です。
そのため、鉢植えにしてベランダで楽しんだり、花壇の縁取りに使ったりと、非常に使い勝手が良いのが魅力。
手入れもほとんど必要なく、初心者の方に最もおすすめしたい小さい竹の一つです。
このシュホウチクを小さな鉢に植えて盆栽のように仕立てるのも、とても面白いですよ。
小さな空間に、竹林の持つ雄大な景色を凝縮させる。
日本のわびさびの精神にも通じる楽しみ方と言えるでしょう。

ホームセンターでの探し方|購入前に知りたい3つの注意点

さて、庭に植える竹が決まったら、いよいよ苗の購入です。
最近では、ホームセンターでも様々な種類の竹の苗が手に入るようになりました。
しかし、ここで焦ってはいけません。
良い苗を選ぶには、いくつか押さえておくべきポイントがあるのです。
これを怠ると、せっかく植えたのに枯れてしまったり、思ったように育たなかったりする原因になります。
私が過去に経験した、もう一つの手痛い失敗談をお話ししましょう。

それは私が独立して間もない頃、あるお宅の坪庭にクロチクを植える仕事でのこと。
少しでも経費を抑えようと、ホームセンターの見切り品コーナーで安売りされていたクロチクの苗に飛びつきました。
ポットはボロボロで、葉も少し黄色がかっていたのですが、「まあ、植えれば元気になるだろう」と高をくくっていたのです。
しかし、その考えが甘かった。
植えてから一月経っても新しい芽は出ず、葉はどんどん枯れていき、結局ひと夏越せずにすべて枯れてしまいました。
原因は、根詰まりです。
長い間狭いポットに植えられたままで、根がガチガチに固まってしまっていたのです。
安物買いの銭失いとは、まさにこのこと。
施主様には平謝りし、自腹で良質な苗を買い直して植え替えました。
この経験から私が学んだ、良い苗を見分けるための3つの注意点をお伝えします。

【良い苗の見分け方ポイント】

チェック項目良い苗の状態避けるべき苗の状態
葉の色緑色が濃く、ツヤがある黄色がかっている、斑点がある、葉先が枯れている
幹(稈)太く、しっかりしている。新しい芽が出ている細くひょろひょろしている。傷や虫食いの跡がある
根の状態ポットの底穴から白い新しい根が見える根がポットの底から飛び出し、茶色く変色している

特に重要なのが、3つ目の「根の状態」です。
ポットをそっと持ち上げて、底の穴を覗いてみてください。
若々しい白い根が見えていれば、その苗は元気に成長している証拠です。
逆に、茶色く枯れたような根がびっしりと詰まっていたり、嫌な匂いがしたりするものは、先ほどの私のように失敗する可能性が高いので避けるのが賢明です。
ホームセンターの店員さんに一声かければ、快くポットから抜いて見せてくれることもあります。
恥ずかしがらずに、自分の目でしっかりと確かめること。
それが、あなたの庭づくりを成功させるための、何より大切な一歩となるのです。

食べられる?美味しい細いタケノコが採れる竹の種類

竹の楽しみは、なにも観賞用だけではありません。
そう、春の訪れを告げる味覚の王様、タケノコです。
一般的にタケノコといえば、孟宗竹(モウソウチク)のような太いものを思い浮かべるかもしれませんが、実は細い竹から採れる細いタケノコも、また格別の美味しさがあるのです。
その代表格が、先ほども少し触れたネマガリダケ(根曲がり竹)、つまりチシマザサのタケノコです。
雪深い山奥で、雪解けとともに顔を出すこのタケノコは、長さ20cmほどの細長い形をしています。
孟宗竹のようにアク抜きのたの米ぬかは必要なく、皮をむいてさっと茹でるだけで食べられる手軽さも魅力。
焼いて味噌をつけて食べたり、お味噌汁の具にしたり、炊き込みご飯にしたり…その風味とシャキシャキとした食感は、一度食べたら忘れられません。
私の故郷である長野では、このネマガリダケを入れた「たけのこ汁」が春の定番家庭料理で、サバ缶と一緒に煮込むのが一般的なんですよ。

他にも、**カンザンチク(寒山竹)タイミンチク(大明竹)**といった種類の竹からも、美味しい細いタケノコが採れます。
これらは主に九州など暖かい地方に自生する竹ですね。
灰汁が少なく、甘みと独特の苦味があり、天ぷらや炒め物にすると絶品です。
タケノコの種類や栄養価については、Wikipediaにも詳しい情報が掲載されていますので、興味のある方はぜひご覧ください。
wiki

庭に植えた観賞用の竹から生えてきたタケノコは食べられますか

種類によります。例えば、クロチクやキンメイチクはマダケの仲間なので、タケノコは食べられますが、少し苦味やえぐみが強いことが多いです。また、園芸用に流通している苗は、病害虫を防ぐために薬剤が使われている可能性もゼロではありません。もし食べる場合は、自己責任で、少量から試すようにしてください。個人的には、食用として楽しみたいのであれば、ネマガリダケなど、元々食用として知られている種類の竹を植えることを強くお勧めします。

竹の細いやつとは?種類や名前まとめ

さて、長い旅でしたね。
ここまで、道端で何気なく見ていた「細いやつ」の正体から、その見分け方、庭での楽しみ方、そして食用の世界まで、奥深い竹の世界を一緒に探求してきました。

篠竹、メダケ、オカメザサ、ネマガリダケ…。
それぞれに個性的な名前と特徴があり、私たちの暮らしや文化に深く関わってきたことがお分かりいただけたのではないでしょうか。
もうあなたは、群れて生える細い竹を見ても、ただの「細いやつ」だとは思わないはずです。
節の輪の数や葉の付け根を、思わず観察してしまうかもしれませんね。
それこそが、知識を得るということの本当の喜びだと、私は思います。

この記事で紹介した知識は、広大な竹の世界のほんの入り口に過ぎません。
しかし、この入り口をくぐったことで、あなたの見る風景は間違いなく豊かになったはずです。
道端の雑草だと思っていたものが、実は歴史や物語を持つ、愛すべき隣人だったと気づく。
その小さな発見の積み重ねが、日々の暮らしを彩り、心を豊かにしてくれるのではないでしょうか。
さあ、この知識という名の新しいメガネをかけて、ぜひ外の世界を歩いてみてください。
きっと、今まで見過ごしていたたくさんの発見が、あなたを待っていますよ。
そして、いつかあなた自身が、隣を歩く誰かに「あの細いやつはね…」と、その物語を語り継いでくれることを願っています。