(更新日: 2025年11月24日)

春の訪れを告げる味覚の王様、たけのこ!シャキシャキとした食感と豊かな風味は、一度味わうと忘れられない旬のごちそうですよね。
でも、美味しいたけのこ料理への道のりには、あの面倒な「あく抜き」という大きな壁が立ちはだかります。
米ぬかがないとダメなんでしょ、と諦めてしまったり、長時間かかるイメージがあって、ついつい水煮パックに手が伸びてしまったりしていませんか。
実はその悩み、ある方法を使えば驚くほど簡単に解決できるんです。
そこで今回は、あの大人気番組ためしてガッテンで紹介された、目からウロコのたけのこあく抜き術を徹底解説します。
この記事を読めば、米ぬかない時でも慌てる必要はもうありません。
ご家庭にある重曹や酢、そして水だけで、誰でも短時間で完璧なあく抜きができるようになります。
一晩おく時間がない忙しい方でも大丈夫。
さらに、そもそもアク抜き不要の筍の見分け方から、あく抜き後の筍を使った絶品人気レシピまで、たけのこを丸ごと楽しむための情報を凝縮しました。
さあ、今年こそ面倒なイメージを払拭して、掘りたての新鮮なたけのこを心ゆくまで味わい尽くしましょう。
記事の要約とポイント
- ためしてガッテン流なら米ぬかない時でも、重曹や酢など米ぬか以外の身近なもので完璧にあく抜きできる。
- 一晩おく必要なし!目的に合わせた茹で時間を選べば、驚くほど短時間で下処理が完了する。
- そもそもアク抜き不要の新鮮な筍の見分け方を知れば、調理の手間を大幅にカットできる。
- あく抜きしたたけのこを最大限に活かす、定番からアレンジまで覚えておきたい人気レシピを厳選紹介。
目次 ➖
たけのこのあく抜きはためしてガッテン流!米ぬかない時の2つの裏技
さて、そもそもなぜ、たけのこのあく抜きには米ぬかが使われてきたのでしょうか。
これは昔からの知恵でして、米ぬかに含まれるカルシウムが、えぐみの元であるシュウ酸と結びついて中和してくれたり、米ぬかのデンプン質がアクを吸着してくれるからなんですね。
ですが、今の時代、精米されたお米を買うのが当たり前で、「米ぬかなんて家にないよ」という方がほとんどでしょう。
私も若い頃、店の米ぬかをうっかり切らしてしまい、親方に内緒で色々なもので代用しようとして大失敗した苦い記憶があります。
小麦粉を使ってみたら鍋の底が焦げ付いてしまったり、片栗粉では妙なとろみがついてしまったり…本当に青ざめたものです。
そんな経験もあって、伝統的な方法だけでなく、もっと合理的で、どんなご家庭でも実践できる方法はないかと常に考えていました。
そんな時、ためしてガッテンのような番組が科学的なアプローチで料理の謎を解き明かしてくれるのは、我々プロにとっても非常に興味深いものです。
彼らは、なぜそうなるのか、という原理を突き詰めてくれますからね。
料理人の勘や経験だけでなく、誰がやっても同じ結果が出る「再現性」こそ、現代の家庭料理に求められるものかもしれません。
今回ご紹介するのは、まさにその科学の力に裏打ちされた、米ぬか以外を使った二つの確実な方法です。
一つは重曹、もう一つは酢。
どちらも、きっとあなたの家のキッチンにあるはず。
これらの身近な調味料が、なぜ米ぬかの代わりになるのか、その理由を知れば、あなたはもう筍のあく抜きを恐れることはなくなるでしょう。
「本当に大丈夫?」ええ、大丈夫です。
この道30年の私が、あなたの筍料理を成功へと導きますから、どうぞご安心ください。
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なぜ「ためしてガッテン」の方法が信頼できるのですか?
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それは、長年の経験則や勘といった曖昧なものではなく、科学的な実験に基づいて「なぜそうなるのか」という原理を解き明かしているからです。例えば、食材の成分が何度でどう変化するのか、どんな物質と反応するのかを検証しています。ですから、料理の初心者の方でも、手順通りに行えばプロと同じような結果を得やすい、という大きなメリットがあるのですね。
これから、その具体的な手順を、私の失敗談も交えながら詳しくご説明していきましょう。
ためしてガッテン流!たけのこあく抜き裏技2選
たけのこ あく抜き
ためしてガッテン
米ぬか以外
重曹
短時間
たけのこのあく抜き、米ぬかないと諦めていませんか?ためしてガッテン流なら米ぬか以外の重曹や酢、水だけでOK。一晩おく必要なく短時間でできる方法や、アク抜き不要の筍の見分け方まで2つの裏技を徹底解説します。これで旬の味覚を余すことなく楽しめます。
- 米ぬか以外①重曹を使ったあく抜き方法と茹で時間
- 米ぬか以外②酢と水だけでOK!短時間でできる簡単あく抜き
- 茹でた筍は一晩おくべき?正しい保存方法と時間について
- そもそもアク抜き不要のたけのこはある?見分け方のコツを紹介
米ぬか以外①重曹を使ったあく抜き方法と茹で時間
最初にご紹介するのは、お掃除などでも活躍する重曹を使った方法です。
今ではすっかり市民権を得たこのやり方ですが、私が初めて試したのは今から20年ほど前のこと。
常連のお客様から「橘さん、重曹でもアクが抜けるらしいよ」と教えられ、半信半疑でやってみたのがきっかけでした。
そして、見事に失敗したのです。
「少し多めに入れた方がよく抜けるだろう」という浅はかな考えで、規定の倍量の重曹を入れてしまったんですね。
するとどうでしょう。
茹で上がった筍は、指で触ると崩れてしまうほどドロドロに溶けてしまい、使い物にならなくなってしまいました。
あの時の親方の雷といったら…思い出すだけでも背筋が凍るようです。
この失敗から学んだ教訓は、何事も「適量」が肝心だということです。
重曹はアルカリ性で、筍の繊維を柔らかくする力が非常に強い。
だからこそ、量をきっちり守る必要があるのです。
では、その黄金比ともいえる分量と手順を、順を追ってご説明しますね。
【準備するもの】
- たけのこ:中サイズ1本(約500g)
- 水:たけのこがしっかり浸る量(約2リットル)
- 重曹:小さじ1杯
【手順】
- 筍を洗う: まずは筍の表面についている土を、たわしなどで優しく洗い流します。根本のイボイボの間にも土が入り込んでいることがあるので、丁寧に。
- 切り込みを入れる: 穂先を斜めに5cmほど切り落とします。そして、火の通りを良くし、皮を剥きやすくするために、根元から穂先に向かって縦に一本、深さ1cmほどの切り込みを入れます。この時、中の身まで切ってしまわないように気をつけてくださいね。
- 鍋に入れて茹でる: 大きめの鍋に筍とたっぷりの水、そして重曹を入れます。必ず水の状態から火にかけてください。沸騰したお湯に入れると、表面だけが急激に柔らかくなり、中心までうまくアクが抜けません。
- 火加減と茹で時間: 最初は強火にかけ、沸騰したら落し蓋をして、鍋の蓋を少しずらして弱火にします。コトコトと静かに煮立つくらいの火加減がベストです。茹で時間は筍の大きさにもよりますが、大体40分から1時間ほどが目安。
- 確認: 根元の最も硬い部分に竹串を刺してみて、「スッ」と抵抗なく通れば茹で上がりの合図です。まだ硬いようなら、10分ずつ追加で茹でて様子を見てください。
- 冷ます: 火を止めたら、すぐに取り出さずに、茹で汁に浸かったままの状態で鍋ごとゆっくりと常温まで冷まします。この時間を置くことで、残ったアクがさらに抜け、筍に旨味がじんわりと染み込んでいくのです。
なぜ重曹でアクが抜けるのか。
それは、重曹(炭酸水素ナトリウム)が水に溶けると示す弱アルカリ性が、えぐみの主成分であるシュウ酸やホモゲンチジン酸といった酸性の物質を中和・分解してくれるからです。
タケノコのアク成分については、様々な情報源で詳しく解説されていますが(https://ja.wikipedia.org/wiki/タケノコ)、簡単に言えば、アルカリの力でえぐみを和らげている、というわけですね。
ただし、先述の通り、入れすぎは禁物。
以下の表を目安に、お持ちの筍の大きさに合わせて調整してみてください。
| たけのこの重さ | 水の量 | 重曹の量 | 目安の茹で時間 |
| 小 (~300g) | 1.5 L | 小さじ1/2 | 30~40分 |
| 中 (~500g) | 2 L | 小さじ1 | 40~60分 |
| 大 (500g~) | 3 L | 小さじ1と1/2 | 60~90分 |
この方法なら、米ぬかがない時でも、あの独特のえぐみをしっかりと取り除くことができます。
私の失敗を繰り返さないよう、くれぐれも重曹の量だけは正確に計ってくださいね。
米ぬか以外②酢と水だけでOK!短時間でできる簡単あく抜き
次にご紹介するのは、さらに手軽な、お酢を使った方法です。
「え、酸性の酢でアクが抜けるの?」と不思議に思われるかもしれませんね。
私も最初はそうでした。
この方法を教えてくれたのは、うちの店の常連さんで、大学で化学を教えていらっしゃった白石先生という方でした。
ある春の日、カウンターで若竹煮を召し上がっていた先生が、ふと「橘さん、筍のアク抜きね、酢でもできるんだよ。酸化を防いで白く仕上がるし、何より早い」とおっしゃったのです。
正直なところ、半信半疑でした。
アルカリ性で中和するのが定石だと思っていたものですから。
しかし、先生が化学式を交えて説明してくださるのを聞き、これは試してみる価値がある、と。
結果は、驚きでした。
確かに、重曹を使った時ほど完璧にえぐみが消えるわけではありませんが、気になるレベルではなく、何より仕上がりの色がとても美しい白さに保たれるのです。
そして、茹で時間が短いのが最大の魅力。
これは、急いで一品仕上げなければならない時など、厨房では非常に重宝します。
【この方法のメリット・デメリット】
- メリット:
- 調理時間が短い(特に圧力鍋を使えばさらに短縮)
- 筍の色が白く、美しく仕上がる
- ごく僅かな酸味が、煮物などをさっぱりとさせてくれる
- デメリット:
- 筍によっては、えぐみが少し残ることがある
- 酢の香りがかすかに残る場合がある(加熱調理すればほぼ飛びます)
【手順】
- 準備: 筍の下処理(洗浄、穂先をカット、縦に切り込み)は重曹の時と同じです。
- 茹でる: 鍋に筍、たっぷりの水、そして酢(水1リットルに対し大さじ2程度)を入れて火にかけます。
- 茹で時間: 沸騰後、弱火で30分~40分ほど。重曹の時より少し短めで大丈夫です。竹串がスッと通ればOK。
- 裏技(圧力鍋): 圧力鍋を使えば、さらに時短になります。高圧で10分ほど加熱し、あとは自然に圧が抜けるのを待つだけ。これで驚くほど柔らかく仕上がります。店の仕込みで数が多く、時間がない時は、私もこの方法を使います。
- 冷ます: こちらも同様に、茹で汁の中でゆっくりと冷ましてください。
酢を使ったあく抜きは、えぐみを「中和」するというよりは、酢の酸性が筍の組織を適度に分解し、アク成分の流出を促進させる、というイメージです。
また、ポリフェノールオキシダーゼという酵素の働きを抑えるため、切り口が黒ずむのを防ぎ、白さを保ってくれるのです。
この方法は、筍ごはんや煮物など、しっかりと味を含ませる料理よりも、若竹煮や木の芽和え、天ぷらなど、筍そのものの風味と色合いを活かしたい料理に特におすすめです。
白石先生のおかげで、私の料理の引き出しがまた一つ増えた、忘れられないエピソードです。
茹でた筍は一晩おくべき?正しい保存方法と時間について
さて、無事に筍のあく抜きが終わりました。
湯気の向こうで、つやつやと輝く筍。
思わずすぐにつまみ食いしたくなる気持ち、よーく分かります。
ですが、ここでぐっとこらえるのが、美味しさを最大限に引き出すための最後のひと手間。
読者の皆さん、茹で上がった筍、すぐに使いますか?それとも、一晩おくべきだと思いますか?
正解は、「一晩おく」のが基本です。
もちろん、急いでいる時は冷めたらすぐに調理しても構いませんが、時間があるなら、ぜひ茹で汁に浸したまま一晩、ゆっくりと時間をかけてください。
これには二つ、大きな理由があります。
一つは、「アクの再排出」。
茹で汁の中でゆっくりと温度が下がる過程で、筍の繊維の奥に残っていた僅かなアクが、さらにじっくりと抜け出てくれるのです。
もう一つは、「旨味の再吸収」。
筍自身から茹で汁に出た旨味成分が、冷めていく過程で再び筍の中に戻っていく。
これによって、筍の風味がより一層深まるのです。
私がまだ若かった頃、早く仕事を終わらせたい一心で、茹で上がった筍をすぐにザルにあけ、冷水で一気に冷ましてしまったことがありました。
それを見た親方に、ものすごい剣幕で叱られました。
「馬鹿者!筍の気持ちになってみろ!急に冷たい水に放り込まれたら、身が縮こまって硬くなるだろうが!風味も全部流れてしまうわ!」と。
手で触って熱くないからといって、筍の中心まで完全に冷めているわけではない。
その温度差が、食感と風味を損なう原因になるのだと、身をもって学びました。
あの時の、水っぽくて味の薄い筍の味は今でも忘れられません。
では、具体的な保存方法についてお話ししましょう。
【冷蔵保存の場合】
- あく抜きで使った茹で汁ごと、筍をタッパーなどの密閉容器に入れます。茹で汁が少ない場合は、新しい水を足して、筍が完全に浸るようにしてください。
- 冷蔵庫で保存します。この状態で、4~5日は美味しくいただけます。
- さらに長持ちさせたい場合は、毎日水を交換してください。そうすれば1週間程度は問題ありません。水が濁ってきたら、早めに使い切るサインです。
【冷凍保存の場合】
筍は食物繊維が多く、そのまま冷凍すると水分が抜けてスカスカの食感になりがちです。
ですから、少し工夫が必要です。
- 茹でた筍を、使いやすい大きさ(薄切り、いちょう切りなど)にカットします。
- 出汁、醤油、みりんなどで薄い下味をつけた煮汁でさっと煮て、冷まします。
- 煮汁ごと、あるいは水気を切って、ジップロックなどの冷凍用保存袋に平らになるように入れ、冷凍します。
このひと手間で、解凍後も筍の風味が損なわれにくくなります。
煮物や炊き込みご飯に使うのであれば、この方法が断然おすすめです。
焦らず、筍が一番美味しくなる時間を待ってあげる。
それも、料理人の大切な仕事の一つなのです。
そもそもアク抜き不要のたけのこはある?見分け方のコツを紹介
ここまで、いかにして面倒なあく抜きと向き合うか、というお話をしてきました。
ですが、もし、その手間が一切かからない「アク抜き不要のたけのこ」が存在するとしたら…知りたくありませんか?
結論から申し上げましょう。
はい、あります。
ただし、それは非常に厳しい条件をクリアした、ごく一部の筍だけです。
それは何かというと、**「掘りたての、新鮮極まりない筍」**のこと。
特に、まだ土の中にいて穂先が太陽の光を浴びていない状態で掘り出された、いわゆる「朝掘り筍」は、アクがほとんどありません。
京都の高級料亭などでは、これを刺し身や木の芽和えなど、生に近い状態で提供することもあるほどです。
では、私たちがスーパーなどで筍を選ぶ際に、どうすればよりアクの少ない、新鮮なものを見分けられるのでしょうか。
長年、市場で筍と向き合ってきた私の「目利き」のコツを、こっそりお教えしますね。
【新鮮でアクの少ない筍の見分け方】
- 全体の形: ずんぐりと太く、根本がどっしりとしていて、高さが低いものを選びましょう。すらりと背の高いものは、土から顔を出して時間が経っている証拠です。
- 皮の色: 全体的に色が薄く、ツヤがあるものが新鮮です。穂先が濃い緑色になっているものは、光合成を始めてアクが強くなっているサイン。穂先が黄色がかっているものが理想です。
- 切り口: 根元の切り口を確認してください。白く、みずみずしいものが最高です。時間が経つと、切り口が乾いてきたり、茶色く変色したり、白い粒々(チロシンというアミノ酸の一種で無害ですが、アクが強い傾向にあります)が多く出てきたりします。
- 重さ: 手に持った時に、ずっしりと重みを感じるものを選びましょう。水分が豊富で新鮮な証拠です。
なぜ筍は時間が経つとアクが増えるのか。
それは、筍が収穫された後も生きているからです。
成長しようとして、えぐみの元となるホモゲンチジン酸などをどんどん生成してしまうのです。
特に、太陽の光を浴びると、成長のスイッチが入り、皮が硬くなり、アクも一気に増えてしまいます。
旬の食材としてのたけのこは、その鮮度が命です。
この点については、国の機関である農林水産省もウェブサイトでその魅力を伝えています(https://www.maff.go.jp/j/pr/aff/2104/spe1_02.html)。
それだけ、鮮度が味を大きく左右する食材だということですね。
市場で仲卸のベテラン、健さんと交わす会話が思い出されます。
「大将!今日のこれ、持ってきな!昨日の夕立の後に掘ったやつだから、刺し身でいけるぜ!」
そんな言葉を聞くと、こちらも心が躍るものです。
皆さんも、スーパーで筍を選ぶ際には、ぜひこの4つのポイントを思い出してください。
最高の素材を選べば、あく抜きの時間も短くて済みますし、何より料理の味が格段に上がりますから。
あく抜きしたタケノコを使った人気レシピ!ためしてガッテンも紹介
さあ、お疲れ様でした。
丁寧にあく抜きされ、最高の状態になった筍が、あなたの目の前にあります。
ここからは、いよいよ実践編。
この素晴らしい春の恵みを、最高に美味しい一皿に仕上げていきましょう。
下処理という地道な作業を乗り越えたからこそ、料理の楽しさは倍増するものです。
ためしてガッテンなどの番組でも、筍の食感を最大限に活かすための科学的な調理法が紹介されることがありますが、ここでは、私の店「京月」でも長年お客様に愛されてきた、定番でありながらもプロのちょっとしたコツが詰まった人気レシピを二つ、ご紹介したいと思います。
用意はいいですか?
最高の状態になった筍を使って、あなたの大切な家族が「うまい!」と唸る、忘れられない春の味を作りましょう。
キッチンに立つあなたの背中を、私がそっと押して差し上げます。
絶品!あく抜き筍の人気レシピとアレンジ術
たけのこ レシピ
人気
筍
ためしてガッてる
アレンジ
あく抜きした筍の美味しい食べ方を知りたくないですか?ためしてガッテンでも紹介された定番人気のレシピから、お弁当にぴったりの常備菜まで、たけのこを最大限に活かす絶品レシピを3つ厳選してご紹介。初心者でも失敗しないプロのコツも満載です。今日の食卓が華やかになりますよ。
- 定番で人気!筍ごはんと若竹煮の黄金比レシピ
- お弁当にも!たけのこの土佐煮の簡単レシピ
- 【まとめ】たけのこのあく抜きはためしてガッテン流で簡単解決
定番で人気!筍ごはんと若竹煮の黄金比レシピ
春の献立といえば、何と言ってもこの二つは外せませんね。
筍の香りがふわりと立ち上る「筍ごはん」と、出汁の旨味が体に染み渡る「若竹煮」。
どちらもシンプルだからこそ、ごまかしが効かない料理です。
ですが、いくつかのポイントさえ押さえれば、家庭でも料亭のような本格的な味わいを出すことができるのです。
【感動の食感!京月流・筍ごはん】
うちの店の賄いで、若い衆に「何が食べたい?」と聞くと、春は決まって「筍ごはんです!」という声が上がったものです。
彼らの腹を満たしてきた、自慢のレシピですよ。
ポイントは、筍を米と一緒に炊き込まないこと。
「え?」と思われるかもしれませんが、こうすることで米は出汁の味をしっかり吸い、筍はシャキシャキの食感を保つことができるのです。
材料(2合分)
- 米:2合
- あく抜きした筍:150g
- 油揚げ:1/2枚
- A 出汁:360ml
- A 薄口醤油:大さじ2
- A みりん:大さじ2
- A 酒:大さじ1
- B 出汁:100ml
- B 薄口醤油:小さじ1
- B みりん:小さじ1
- 木の芽:適量
作り方
- 米は炊く30分前に研ぎ、ザルにあげておきます。
- 筍は根元を5mm厚のいちょう切りに、穂先は食感を残すため少し厚めのくし形切りにします。油揚げは油抜きをして細切りに。
- 鍋にBの調味料と筍を入れて火にかけ、煮立ったら弱火で5分ほど煮て、筍に下味をつけます。火を止めてそのまま冷ましておきましょう。
- 炊飯器に米とAの調味料を入れ、油揚げを乗せて普通に炊飯します。
- ご飯が炊きあがったら、汁気を切った3の筍を加えて、しゃもじで切るようにさっくりと混ぜ合わせます。
- 器に盛り、彩りに木の芽を添えれば完成です。
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筍ごはんがいつもべちゃっとしてしまいます…
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それは、生の筍を一緒に炊き込むことで、筍から出る水分が炊飯の水加減を狂わせてしまうのが主な原因です。このレシピのように、筍を別に煮て後から混ぜ込む「混ぜご飯」のスタイルにすれば、水加減の失敗がまずありません。また、米を研いだ後、しっかり30分ほどザルにあげて水気を切っておくのも、美味しく炊き上げるための重要なポイントですよ。
【出汁が命!究極の若竹煮】
若竹煮は、筍とわかめ、二つの海の幸と山の幸が出会う、春を象徴するお椀です。
決め手は何と言っても「出汁」。
昆布と鰹節で丁寧に引いた一番出汁が、筍の繊細な風味を最大限に引き立ててくれます。
材料(2人分)
- あく抜きした筍:100g(穂先の柔らかい部分がおすすめ)
- 生わかめ(または塩蔵わかめ):30g
- 一番出汁:400ml
- 薄口醤油:小さじ2
- みりん:小さじ2
- 塩:ひとつまみ
- 木の芽:適量
作り方
- 筍は食べやすい大きさに切ります。わかめは水で戻し、長い場合はざく切りにします。
- 鍋に出汁と調味料、筍を入れて火にかけます。煮立ったら弱火にし、5~10分ほどコトコトと煮て味を含ませます。
- 味見をして、塩で味を調えます。
- 火を止める直前に、わかめを加えます。わかめは煮すぎると食感と色が損なわれるので、温める程度で十分です。
- お椀に盛り付け、香りづけに手のひらでパンと叩いた木の芽を添えます。
この二品があれば、食卓は一気に春爛漫。
丁寧な下処理が、最高のご馳走へと昇華する瞬間です。
お弁当にも!たけのこの土佐煮の簡単レシピ
毎日のお弁当作り、頭を悩ませますよね。
冷めても美味しくて、ご飯が進むおかずが一つあると、本当に助かるものです。
この「たけのこ の土佐煮」は、まさにそんなお弁当の救世主。
私の娘がまだ小さかった頃、春の運動会のお弁当には必ずこれを入れていました。
友達と交換した唐揚げよりも、母の作ったこの土佐煮が一番美味しいと、空っぽになったお弁当箱を誇らしげに見せてくれた顔を、今でも思い出します。
土佐煮の「土佐」とは、鰹節の産地である土佐国(現在の高知県)から来ています。
つまり、鰹節をたっぷりと使って風味豊かに仕上げる煮物のこと。
冷めても鰹の風味がしっかりと感じられるので、お弁当にぴったりなのです。
ポイントは、**「追い鰹」**をすること。
最後に鰹節を加えることで、香りが格段に引き立ちます。
材料(作りやすい分量)
- あく抜きした筍:200g
- 出汁:200ml
- 醤油:大さじ2
- みりん:大さじ2
- 砂糖:大さじ1
- 酒:大さじ1
- 鰹節:5g(小分けパック1袋)
作り方
- 筍は根元を1cm厚のいちょう切りに、穂先は縦に4~6等分に切ります。
- 鍋に出汁と調味料(醤油、みりん、砂糖、酒)を入れて火にかけ、煮立ったら筍を加えます。
- 落し蓋をして、弱火で15~20分、煮汁が半分くらいになるまで煮含めます。時々鍋を揺すって、味が均一になるようにしてください。
- 火を止める直前に、鰹節を「ふわっ」と全体に広げるように加えます。
- 火を止め、ひと混ぜしたら完成。そのまま冷ますと、さらに味が染み込みます。
この土佐煮は、アレンジも自由自在。
鶏肉やさつま揚げを一緒に煮ればボリュームアップしますし、実山椒を少し加えればピリリと大人の味わいになります。
あなたの家庭の味を、ぜひ見つけてみてください。
| 加える食材 | ポイント |
| 鶏もも肉 | コクと旨味が格段にアップ。筍と一緒に煮込みます。 |
| さつま揚げ | 魚の旨味が加わり、お弁当の満足感が上がります。 |
| 実山椒(佃煮) | 仕上げに少し加えるだけで、香りが引き締まり料亭の味に。 |
| 鷹の爪 | 輪切りを1本分加えると、ピリ辛がお好きな方にはたまりません。 |
常備菜として冷蔵庫にストックしておけば、あと一品欲しい時や、お酒の肴にもさっと出せて便利ですよ。
娘の思い出が詰まったこの一品が、今度はあなたの食卓で、新しい物語を紡いでくれることを願っています。
【まとめ】たけのこのあく抜きはためしてガッテン流で簡単解決
さて、筍との格闘、お疲れ様でした。
これまで、米ぬかないご家庭でもできる、重曹や酢を使ったためしてガッテン流のあく抜き方法から、プロが実践する正しい保存方法、そしてアク抜き不要の新鮮な筍の見分け方まで、私の知る限りの知識と経験をお伝えしてきました。
そして、丁寧に下処理した筍が、いかに素晴らしい料理へと生まれ変わるかも、感じていただけたのではないでしょうか。
筍ごはんに若竹煮、そして土佐煮。
どれも、日本の春を象徴する、心温まる味わいです。
面倒だと思っていた筍のあく抜きも、原理を知り、正しい手順を踏めば、決して難しいものではありません。
むしろ、旬の食材と丁寧に向き合う時間は、日々の暮らしに豊かな彩りを与えてくれるはずです。
この春は、ぜひご自身であく抜きから挑戦してみてください。
きっと、いつもの水煮パックでは決して味わうことのできない、筍本来の力強い香りと深い味わいに、感動することでしょう。
料理は愛情、そしてほんの少しの知識と手間です。
あなたが心を込めて作った一皿は、間違いなくあなたの大切な人の心に、温かい春の思い出として深く刻まれていきます。
さあ、恐れずにキッチンに立って、生命力あふれる春の香りを、心ゆくまで満喫しませんか。





